会報第10号

もくじ
〜第3回 九州販売士交流会を開催〜
〜第4回 夏季研修会を開催〜
〜投稿記事〜〜役員&会員
 今年1年を振り返って
 食の細道 通りゃんせ!(シルパーエイジ・マーケティング)
 雑感「人口減社会に思う」
 快適な生活を迎えましょう
第2回「夏の納涼パーティ」開催
販売士試験制度の変更について



〜第3回 九州販売士交流会を開催〜
 
 11月12日(土)の午後、恒例となった九州販売士交流会が日本販売士協会と地元3協会の共催で福岡市の福岡商工会議所内において開催されました。
 当日は、前日の雨もすっかり上がり晴天に恵まれた中で、鹿児島地区から初めて参加があったのをはじめ、初回から引き続いての熊本地区の参加もあり総勢45名が一堂に会しての交流会になりました。
 この交流会は、一昨年、販売士制度の30周年を記念して全国でも唯一、九州全県という広域を対象に域内の販売士であれば誰もが自由に参加できる交流と相互研鑚の場として発足したものですが、回を追う毎にその輪が着実に広がりつつある感がします。
 更に、交流会発足を契機に域内の3協会(長崎・島原・福岡)間の連携と協力関係も深まりを見せており、今年の交流会の雰囲気は正に「九州はひとつ」との気運が高まってきました。
 以下は、当日の交流会の模様です。
=交流会次第= 司会:佐田会員
 第一部 挨 拶  14:00〜14:30
 日本販売士協会 山本専務理事
 福岡商工会議所 森松部長
 長崎販売士協会 富永会長
 島原販売士協会 芥副会長
 福岡販売士協会 栗川会長
 第二部 講 演  14:40〜15:40
「女性客が集まる販売マーケティング」
    講師 仙波 敬子 会員
 第三部 懇親会  15:50〜17:30
 挨拶と乾杯 福岡販売士協会 濱村監事
懇談・出席者紹介・スピーチ・ビンゴゲーム
 締めの挨拶 福岡販売士協会 石原副会長

第一部 挨拶
 定刻の午後2時、当番協会である地元福岡販売士協会の佐田会員の司会により開会しました。今年度の交流会ははじめに、来賓並びに主催者側の各代表の方々から、それぞれの現況紹介と本交流会への期待を込めた挨拶がありました。以下は、ご挨拶をいただいた要旨です。

(1)日本販売士協会 山本専務理事
*この交流会は、九州地域の販売士なら、誰でも参加できる全国でも唯一のもの。更なる発展を期待して今後も全面的に支援していきたい。
*販売士制度は、今年で32年になるが、現在教科体系と科目内容を抜本的に見直している。1〜3級まで5科目共通とし、今秋3級ハンドブックができた。
(2)福岡商工会議所 企業研修センター 森松部長
*販売士制度は、流通業界唯一の公的資格として32年の歴史を有するが、ますます変化がすすむ業界にあって販売士の活躍舞台は一層広がるものと考える。当所としても更なる普及努力をしていく。因みに、今年度の当所管内での1〜3級の受験者数は2,400名強、全国では約61,000名にのぼっている。
(3)地元3協会代表の挨拶
  @長崎販売士協会 富永会長
 *「九州でまとまろう」といって、一昨年スタートしたこの交流会も早いもので3回目。もっともっと、この良い流れを広げていこう。
 *長崎は、今3つの委員会を柱に各委員長の強いリーダーシップのもと活動している。研修委は冬木委員長のもとで2・3級の夜間講座を、企画委は竹本委員長のもとで2ヶ月に1回のCS=顧客満足=講座(毎回40名以上参加)を、広報委もまた、吉岡委員長のもとに毎月内容のある広報誌を発行するなどして成果を収めている。
 *来年は、長崎でお待ちしています。
  A島原販売士協会 芥 副会長
林会長が急遽欠席されたため、同会長のメッセージを芥副会長が代読された。
 *この交流会を心待ちしていながら出席できずお詫びしたい。今年度の島原の活動目標は、「ホームページの充実」「IT勉強会」「会員資質の向上と新入会員増」の3点において注力している。
 *また、地元の商業高校が空き店舗を利用しての実践学習を始めたので、その支援にも係わっている。
 *いつか、この交流会を島原でとの思いを強くしているので、今しばらくお待ち頂きたい。ご盛会を祈念します。
  B福岡販売士協会 栗川会長
 *初回に続いての2度目を担当させて頂いたので、今回は準備に当り大目標として50名の参加を目指し、ポスター作戦(製作者は当協会女性会員の広瀬さん)を展開して広く呼びかけてみた。お蔭で50名には少々およばなかったものの、鹿児島や熊本地区からの参加もいただいた。ご協力に感謝申し上げる。*本日の講演会は、初めて女性講師に登場願うことになった。福岡では年間行事の研修会や総会時などの講師は、毎回会員の中からを基本に行ってきているが、今回は教育コンサルタントの仙波敬子会員にお願いした。この後をお楽しみに。

 講演会 
  演題 「女性客の集まる販売マーケティング」 講師 会員 1級販売士 仙波敬子さん
<講演の要旨>
 今回は、初めて女性会員の方に講師として登場して頂きましたが演題の示すとおり、「女性は、男性とは異なる特有の感性を持ち、マーケティングの視点からターゲットとして独特な感覚と行動パターンが見られる」という講師自身の女性の目から見た分析と対処法を具体例を挙げての講話に、男性会員が圧倒的に多い聴講者は一様に感嘆の表情で聞き入っていました。
 講演を聴講してみて、男性会員のひとりとして改めて女性心理のあり様の難しさを思い知らされたように感じた一方で、これまで見過ごしてきた女性市場への対応に学ぶことが多くありました。
 また、講演の進め方も仙波講師の実践体験をもとに都度参加者に問いかけ、語り合いながらの1時間でしたので瞬く間に過ぎてしまったように感じました。以下はその要旨です。
 (1)成功するマーケット・ターゲットは女性
 女性に人気があるものはヒットする。レストランでも女性が多いところは美味しい証拠。また、不動産の営業などはもっと女性を配置すると良いと思う。何故なら昼間でも訪問でき、意思決定を左右する奥様たちと話せるのだから。
 (2)女性に支持される条件とは
 まずは、理屈よりイメージが大切。例えば、女性は美しくありたいという意識が強いので、「美しい姿」を連想できる状況を演出したり、心が癒されるものを望んでいるので、それに応える提案をするとよい。
 (3)女性の感性に訴える販売促進とは
 ひとつは、「視覚(ビジュアル効果)」「臭覚(デモ体験)」「聴覚(BGM)」などの五感に訴えること。更にいえば、女性は物事を感覚的かつ瞬間的に決めてしまう特性があることに注目すべきで、例えば、「たった一日で効果が」などという即効性に弱い。
 (4)販売のポイント
 まずは、入店時の第一印象が大事。次に選ぶ楽しみのある売り場であることが重要なポイント。例えば、ドンキホーテのように雑然としていても宝物探しの如く、一歩入ったら奥へ奥へと興味を引き付けるような導線を作ると良い。
 (5)接客のポイント
 「商品のセールスポイントは30秒以内で」「客の良いところを見つけて誉める」「その日のうちに葉書や電話でお礼を」などなど。また、女性客に見てもらって即座によい反応があれば仕入れる商品だ。

第二部  懇親会
 休憩時間を利用しての第一部から二部へのパーティ会場づくりは出席者の皆さんで即座に行っていただき、予定どおり午後4時前に懇親会が始まりました。
 はじめに、福岡販売士協会の濱村監事から第一部の講演会の感想と共に、「女性会員が少ない自分たち販売士協会こそ、本当はマーケティングをする必要があるのでは」とのユーモア溢れる挨拶と乾杯の音頭で和やかに会がスタートしました。
 歓談が進むなか、会の半ばには初参加の方々をはじめ司会の佐田さんから指名を受けた人達が次々とスピーチに立たれ、都度盛んな拍手が送られていました。また、今春福岡の新会員になられた高原(政信)さんが進行役になってのビンゴゲームも一層楽しい会へと盛り上げてくれて「リーチ、リーチ、ビンゴ!」の元気の良い声が飛び交い、歓談も尽きることがありませんでしたが、予定の午後5時半になりパーティを終えました。
 交流会の最後は、当番協会である福岡販売士協会の石原副会長が「お蔭で年々、九州の各協会間の協力と連携が深まり、『九州はひとつ』との気運も高まってきており、この地域の販売士有資格者26,000名が時流に適応した資質を磨きあっていけるようになれば」との願いを込めた挨拶があり、今回出席できなかった皆さんの分を含めて、博多手一本で締めて散会となりました。

石原 義曠  記


〜第4回 夏季研修会を開催〜
平成17年7月30日

 7月30日の午後、恒例となった夏季研修会が今年も酷暑のなかにも拘わらず、29名の方々の参加を得て福岡商工会議所内において開催されました。
 この研修会は、当協会が発足した平成14年度から毎年、年間の主要行事のひとつとして事業計画に組み入れ開催してきていますが、講師は都度会員の中からお願いする形で運営してきました。
 第4回を迎えた今年度は、人材育成コンサルタントとして、当地の一般企業をはじめ大学、専門学校等で幅広く活躍されている高田暢夫さんに講師をお願いし「流通業界と法規制」と題して、法的規制が複雑に絡む現下の難しい販売環境下において、如何に対応していくべきかを日常の卑近な例をもとに実務的な視点からの講義をしていただきました。
 大変に奥行きの深いテーマを、限られた時間の中で判り易く解説願い、かつ講義後も、更には懇親会の場までも参加者からの多くの質疑に対し熱心に応えていただくなど充実した研修会でした。
 以下は、受講者のひとりとして見聞きし、学び、体感した概況です。

<第一部>  講演会
 渡辺理事(研修委員長)の司会で定刻に始まった今研修は、冒頭に栗川会長から当協会の近況を含めた挨拶があり講演に入りました。
 =講演の要旨=
 環境変化が著しい昨今、経済面での規制が緩和の方向に向かう一方で、社会規制の面では逆に強化の方向に向かうなど流通業界に携わる者にとっては、ますます難しい局面を迎えている。
 こうしたことから、この業界に身を置く者として、まずは現下の関連する法的規制について良く把握しておくことが必要不可欠ではないか。
 世の中には、談合行為など判っていて違法行為を繰り返している企業等が跡を絶たないが、反面、日々われわれが係わっている販売行為の中には知らないうちに犯罪に繋がるようなことをしていたり、巻き込まれていたりするケースが増えてきている。
 起こしてしまってからでは遅い。その意味でも関連する法規制に関しては、あらかじめ十分に理解を深めておくことが重要だ。  法律というと難しい印象があり、何となく抵抗感を覚え勝ちであるが決してそうでもない。因みに、販売士は3級テキストでは商法をはじめ40近くを、2級テキストでは更に会社法、契約法など13の関係する法律を扱っている。
したがって、現実にそうした法社会の中に生きていて、日々の仕事に当っている限りわれわれは、自己責任として一通りの関連法規を知り、日頃から法改正にも関心を持って対応していくべきではないか。
レジュメ(当日の配布資料からの抜粋)

 T.企業経営とリスク
 「外的リスクと内的リスク」
 U.リスクに対する日本的認識
     「儲けが先決で、その後にリスクを議論」
 V.法的リスクとコンプライアンス 
(具体例)・総会屋、暴力団への利益供与
・製品の欠陥、事故隠し等々
「法的責任と社会的責任」
 C.販売士と法規制  
  「3級及び2級で学ぶ法律」
   D.法律改正のポイントおよび法律解釈のポイント
  「不当景品類および不当表示防止法」
  「独占禁止法」「割賦販売法」
「消費者契約法」「個人情報保護法」等々

<第二部> 懇親会
 今回は、日本販売士協会からご担当の渡辺清高さんが取材を兼ねて来福され、来賓としてのご挨拶を頂きました。渡辺さんは、その中で今研修内容への賞賛と併せ全国の他協会の状況にも触れられ、特に九州における当地福岡と長崎との連携や北海道の千歳、山形の酒田などを例に挙げられ、それぞれに地域に根ざした独自の良い活動をされているとの感想をいただきました。
 そして、第一部の熱気を持ち越しながら、濱村監事の乾杯の音頭で第二部の懇親会がスタートし、終始なごやかな交流と歓談が続くなかパーティ半ばには、新会員として本研修に初参加された鯉川聡さんの新鮮なスピーチもありました。鯉川さんは本日の高田講師の門下生として今年度1級に合格された大学生で皆さんから盛んな歓迎の声をかけられていました。
 また、第一部に引き続き、この場でも高田講師への質疑とやりとりが続くなど今回の研修テーマへの関心の強さも感じるひとときでした。
 瞬く間に過ぎた今研修の最後は、石原副会長が中締めに立ち「これからも、このような研修の場が絶えることなく、より発展的に続けていけるよう会員の皆さんのお力添えを」との挨拶で散会となりました。
石原 義曠  記


〜投稿記事〜〜役員&会員

今年1年を振り返って

会長 1級販売士 栗川 久明

 会員のみなさま、今年1年間、協会の運営にご支援・ご協力を賜り誠にありがとうございました。
 最初に、今年の全体会合を振り返って見ますと、1月22日(土)に第4回「新年懇親会」を開催しました。ご来賓を含めて27名のご参加をいただきました。この新年懇親会は当協会設立前の名刺交換会から始まっております。この会合だけは、講演会がなく純粋の懇親会であり、参加者の発言の機会が多いのが特長です。来年は1月21日(土)14時から福岡商工会議所303号室で行いますのでご参加をお願いします。
 次の全体会合は、4月16日(土)の第4回「年次総会」です。ご来賓を含めて37名のご参加をいただきました。役員が非改選年ということもあり、スムーズな総会進行ができました。当協会の年次総会の特長は年度終了後の早い時期に総会を開催し、また年度の会合日程すべてを提示し、会員のみなさんの予定を立てやすくしている点です。講演会では大原盡顧問に「販売士の光で夢実現を」というテーマでお話いただきました。
 7月30日(土)には第4回「夏季研修会」を開催いたしました。ご来賓を含めて29名のご参加をいただきました。講演は会員の高田暢夫さんの「流通業界と法規制」というテーマでお話いただきました。当協会の講演会の特長は講師が会員であるということです。 次は年間予定には入っていませんが、企画委員会主催による第2回「夏の納涼ビアパーティ」の開催です。夫婦3組を含めて16名のご参加をいただきました。ご家族が一緒にご参加できる会合が特長です。また、ビール工場で飲むフレッシュなビールの味は格別でした。
 先日の11月12日(土)には、第3回九州販売士交流会を開催しました。日本・長崎・島原・福岡の4販売士協会共催で、九州4県から45名の販売士が集まり、盛大に行われました。今回は50名の参加者目標に、会員の廣瀬紀子さんにポスターを作成してもらい広く配布しました。また講演会は女性会員の仙波敬子さんに「女性客が集まる販売マーケティング」という演題でお話いただきました。来年は長崎販売士協会幹事・長崎市開催が決まりました。この交流会の特長は九州の販売士は誰でもご参加いただけるということであり、さらに九州の販売士交流の輪がもっともっと広がっていくことを期待しております。
 一方、個別会合ですが、毎月1回「役員会議」「流通業交流会」「1級販売士検定受験研究会」を実施いたしています。毎月確実に開催していますが、出席者が固定され少ないという問題点があります。この点は来年度の検討課題であると思います。
 福岡販売士協会は平成13年4月に発足し4年が経過しました。この間、日本販売士協会・長崎販売士協会様には格別のご支援をいただきありがとうございます。今後もしっかり連携を取り、協会活動を推進していきたいと思います。
 来年も会員みなさんのご支援・ご参加をよろしくお願いいたします。
 会員みなさまがご家族お揃いで輝かしい新年をお迎えされるよう祈念いたしております。


食の細道 通りゃんせ!(シルパーエイジ・マーケティング)

2級販売士 研修委員長 泉 亨

 一般的に、加齢が進むと食が細くなると云われています。しかし、細いながらも食の楽しみは変わらない。ましてや健康に気を使う人は、一品一品は少量でも、多くの食べ物をバランス良く食べる楽しみを知っています。あれはいけない !これは駄目 ! 霞を食って生きてる仙人でもあるまいし、そんなことでは生きる活力さえ失いかねない。
 工夫と智恵で食卓を彩り食欲を増す。そんな食卓には、楽しい語らいも美味しいお菜の1つです。暦年齢、肉体年齢、精神年齢と、人は色んな角度から年齢を感じさせますが、少なくとも食の楽しみを知っている人達は、どこかに若さを残しているものです。
 年齢と云うものは一律に括れるものではありません。小泉首相ではありませんが、人生いろいろ、生き様いろいろです。恍惚の人になるには早過ぎる ! まだまだ人生頑張れる ! そんな思いのたそがれ社会。
 さて、シルバーエイジのマーケティングを考察すると?その前にマーケティングとは一体何でしょう?そもそもマーケティングと云う言葉はMarket(市場)と、ing(動き・進行形)が合体したものです。直訳すれば市場を動かす力と云うことになります。小売業と云う前提で意訳すれば、物が売れなきゃ市場は動かないわけですから、従って、売れる仕組みづくり ! と云うことになります。AMAやコトラーの定義を引用するまでもなくそれで充分。変に難しく考えようとするとわかりづらくなってしまいます。売れる仕組みづくり、言葉を変えて云えば、お客様が満足出来る売り場づくり、仕組みづくりと云うことです。
 そこで高齢者にターゲットを絞ったマーケティングを考える時、まず考えなければいけないことは、高齢者と呼ばれる人達の特性、あるいはニーズは何だろうと云うことです。一般に、高齢になると食が細くなると云われていますが、今日の健康ブームを反映してか、バランス良く色々な食材を楽しみたいと願う人達が増加して来ています。スーパー・マーケット等の品揃え、単品の内容量、提供方法等を見てみると、食べ切れずに取り合えず冷蔵庫へ保管して、結局は生ゴミとして廃棄する。そんなシーンが垣間見えてきます。決して満足出来る売り場づくり、仕組みづくりが出来ているとは思えません。ましてや環境問題などそっちのけ。企業の社会的責任など知らん顔、少々八つ当たり気味ですが。美味しい物を少量づつ、しかも多種類買えるお店 ! それが、たそがれ健康族対応の、キーワード 1です。
 次に、健康と云えば、まず、サプリメントが頭に浮かびます。このサプリメントも摂り方によっては問題が起こります。功罪相半ばと云っても過言ではありません。もともと栄養素やミネラル類は食事によって摂ることが自然にかなった方法です。食事は味・香り・舌触り等の食感で美味しさを感じます。それが生きる喜びにつながります。しかも、噛むと云った動作で脳に刺激を与え健康な生活を支える基本となります。しかし、食事だけでは栄養改善あるいは必要量の補充が難しい人はサプリメントの活用を考える。本来の役割はそこにあるはずなんです。サプリメントは病院での検査や治療あるいは薬の効き目にも悪影響を及ぼすことが知られています。そして過剰摂取は体調を悪くする原因ともなります。そうなると売り場では専門の知識を持った栄養士等、資格を持ったアドバイザーがいること。それがキーワード 2になります。
 さらに、高齢化対応と云った点で大切なことは配達制度の充実です。自宅までお届けするシステムがうまく機能すれば、売上げに直結すると思われますが、問題は費用(コスト)の面でしょうね。このキーワード 3は費用との絡みで問題がアルとは思いますが、今後、強化していく必要性が高いと私は思います。
 キーワード 4は、バリアフリーの充実です。高齢化が進むと、ともすれば爪先を引っ掛けて転倒と云った事故を起こしやすくなります。運動神経が若い頃に比べて落ちてきます。それでなくとも、セカセカと、小股、早足で歩く高齢者の方を見かけますけど、余計なお世話と云われればそれまでですが、見ていてなんとなく心配になります。足元が覚束ない高齢者でも安心して買物が出来る売り場づくり、仕組みづくりは重要なキーワードですね。
 食生活の変化を背景としたスーパー・マーケットの変化は、惣菜・中食売り場に歴然としていますが、今後、高齢化が進めば進むほど高齢化対応策が大きな課題となることは明らかです。つまり、もっともっとスーパー・マーケットの売り場は変化しなくてはいけないし、変化する筈だと思います。
 2015年には、高齢者と呼ばれる人達が3270万人に達すると云われています。既に現在、人生80年時代と云われるようになっていますが、人生100年時代到来 ! も夢ではありません。ヒトゲノムが解読され分子レベルでの長寿研究や、老化研究も進んでいる現状を考えると、超高齢化社会も目と鼻の先 ! ちょっと云い過ぎでしょうか?しかし、少なくとも65歳程度で高齢者呼ばわりするとは失礼な?時代になりつつあります。まだまだ俺たちゃ働き盛り! 60代でそんな声が聞かれる社会ってどうなんでしょう?シルバーエイジ・マーケティングを云々しようとすれば、高齢者の定義の見直しも、キーワード 5として取り上げるべきでしょうね。
 何はともあれ75歳以上を高齢者として考えてみると、シルバーエイジの社会が大きく変化しそうな気がします。定義の見直しから始まって、具体的に何をどうすれば良いのか、5つのキーワードを基にしっかりと考えて見たいものです。少子高齢化と、社会構造は激しく変化しています。食の細道も3270万人の胃袋ともなると、避けては通れない新市場として大きな課題となってきます。
 顧客満足を云々するマーケティング志向をさらに一歩進めて、顧客満足を超えた期待を上回る商品やサービスの提供による、顧客の喜びをつくり出すマーケティングへと発展させる。そんなコンサルタントが福岡販売士協会から生まれることを期待しています。


雑感「人口減社会に思う」

1級販売士 副会長 石原 義曠

 今年、日本の男性人口が史上初めて減少に転じ、総人口増も過去最低の0.04%にとどまったとの報道が流れたのは、確か7月だったと記憶していますが、その僅か一ヶ月後の8月には、総人口までも3万人減少したとの厚労省の発表を耳にして、いよいよ世界のどの国も経験したことのない人口減社会が現実のものになったんだとの思いを強くしました。
 つい先頃までは、2007年からと言われていた総人口減が予測より2年も早いペースで進んでいることに些かの不安を覚えるのは私だけでしょうか。それも、このままいくと年に50万人も減り続ける社会になっていくといいますから、国際化が進展していくことを考慮しても、当然経済は縮小均衡型にならざるを得ないと思いますし、人々の意識や価値観も大きく変わっていくものと思われます。
 世界的規模での諸環境の変化もすすむなかで、この先一体どんな社会になっていくのでしょうか。そして又、私たちが係わる流通業界もどのように変貌していくのだろうかとの思いが巡ります。いろいろとシュミレーションもあるようですが、とにかくこれまでの思考や習慣の延長線上とは異なる次元の社会の入口に差し掛かったことは間違いなさそうです。
 勝手な想像は別として、先頃ある民間の調査会社から届いた資料を眺めていましたら、「国民の生活意識の潮流」と題しての興味ある調査結果が出ていました。その内容を概括すると、後述のように人口減社会の到来を目前にして、現下の不安定な社会現象や経済の成熟化等も反映してか、人々の意識は既にいろいろと変化し始めているようです。
 まず、現状における特徴的な変化について拾ってみると、
  * ひとつが、″安全とか休息への欲求″が増大していることです。
 このことは、国際的にも頻発するテロや地震、異常気象による水害の多発、ストレス社会下での凶悪犯罪の増加などが背景にあるからだと思われます。
* ふたつ目には、″コミュニケーション意識″が薄れてきていることです。
 職場や学校あるいは隣近所など日常生活において「他人とつき合うという意識」の低下が目立ち、「家族とか特定の仲間とだけの人間関係」に重きを置く傾向が伺えるようです。
* 三つ目には、″のんびり生きたい″が基調意識にあることです。
 バブル後、一時格差縮小に向かった流れが、今再び拡大しつつある中で豊かな生活を求めて勤勉に努力をしようという人が減ってきているようです。
 そして、更なる次の潮流の兆しとして、
* ひとつが、″生活を愉しもう″とすることへの流れです。
 レジャーや旅行、自分の趣味への関心が増大し、何よりも「今、この時の生活を愉しみたい」という傾向が強く現れてきているようです。
* また、″貯蓄より資産運用への関心″が強まっている動きも見られます。
 ペイオフや低金利時代への対応に伴うものと思われますが、貯蓄に代わって「資産運用」への関心が高まってきつつあるようです。
* 更には、″自分を大切にする″ことへの関心が高まっていることです。
 今、一人で過ごす時間や空間を大事にしょうとする傾向が顕著になってきているようですが、この中でも特に「おひとりさま」と言われる未婚女性が、これからの消費のターゲットとして注目されようとしているのは興味深いと思います。
 以上のように、伝統的に日本人の美徳とされてきた「勤勉」とか「勿体無い」などと言う『節約』の概念からは縁遠くなりつつあるなかで、今後、人口減社会において実際に人々の生活意識は更にどのように変化してくのでしょうか。そして、流通業にどんな影響が及んでくるのでしょうか。
 この際、ひとり想像の世界に浸って未来を思ってみるのも有益なことではないでしょうか。


快適な生活を迎えましょう

1級販売士 顧問 大原 盡

はじめに
 本年は、元ダイエー中内功氏がご逝去になられ、心から哀悼の念を捧げます。
 消費者にとって「セービング」は品質優良・廉価で重宝がられ、又、「はっ得シール」は毎日先着100名に配り、他店では出来ぬ生活防衛の熱い思いやりに。顧客は感謝しております。年金生活の私もその1人です。このダイエーが、何故倒産したのか?それは京都龍安寺の蹲(つくばい、手洗鉢)に刻まれた[吾唯足るを知る](禅語)に思い至ります。人間の欲には際限がなく、運気の絶頂時、傲慢になり、謙虚さを忘れて失敗が多々あります。晩年の同氏は往年に比べ、とても謙虚になられ、周りの人が大変驚かれたそうです。そこで、凡人の快適な生活は如何に迎えるか?をテーマに、最近、身近に関係のあることを取り上げてみました。
1.知識を学び、情報通になり、智恵を出そう
 本年は、景気回復を反映する株式市場は、息の長い上昇相場の兆しが始まっております。
 福岡流通事情−博多駅の建て直しに、井筒屋の再入居なるか?JR側は高島屋出店の希望があるので、井筒屋39年間の苦労評価について、簡易裁判所で第1回が12月6日にあります。
 天神の界隈事情−[みなみ天神]開店(旧マツヤレディス跡)ユニクロ改装開店。ショッパーズ・ダイエー地下食品売場は、はっ得シールを配布、健闘中。天神北は生活防衛の品揃えが充実、集客力は強化されています。この情報から智恵を出し、快適生活の一助にされては如何ですか。
2.健康増進を自身の工夫で
 時流は景気回復基調、健康は人それぞれ異なり、バランスのよい食事を摂ることが必要です。
 生活習慣病予防対策に食育基本法(平成17年6月10日成立)が出来、国家の医療費削減はもとより、若々しい健康体で家庭を明るくしたいものです。若返りは身体の全機現。何事も好奇心で脳に刺激を与え、サラサラの血液にする工夫と笑顔、プラス発想・行動で、若さを呼び込みましょう。ヨーグルトを朝食前に飲むと便秘は解消します。3年前から私は手料理に木の実(ピーナツ・松の実・アーモンド)海藻、野菜(ニラ・カボチャ・玉葱・馬鈴薯・ニンニク)鶏レバー、卵は完全な栄養を含有、1日1個目玉焼き。水道水に医王石・ブラックシリカのセラミックを入れて飲んでおります。スーパー、百貨店で買い物ついでに、衣・食・住の商品知識を勉強中です。毎日入浴時、両手指先の爪周辺の指圧で血液の循環を図り、深呼吸・両腕振り、両脚屈伸で足腰を鍛えております。又、石を胸やチャクラにつけて、その効果を実験中です。
3.社会貢献に携わる仕事
 若い販売員が立派な流通人になれるよう、見込みのある人には自己発見の資料を提供して、自身を持って働くよう励ましております。店に意見箱があれば、努めて販売士の知識の活用と経験で投書(担当者を誉める、業務改善案、レシートは必ず貰い、渡さぬ所は渡すよう助言、催事商品の製造元・内容量の不表示は法令遵守を助言)販売士受験勧誘をしています。
4.新年を迎えるにあたりご挨拶
 本年は大変お世話になりまして有難う御座います。明年も何卒よろしくお願い申し上げます。明年の暦は、丙戌墓になり、聖火台を護る神犬に譬えられます。
 新玉(あらたま 丙 太陽)の霊光を浴びて、心(墓・地中の財宝)を磨き非・理・法・権・天を悟り、教養(思いやりの出来ること)人になれと天の声が聞こえてきます。自然の法則は偉大です。知識は智恵に変え自己実現の道を一歩一歩踏み〆快適な生活でご活躍をお祈りいたします。



第2回「夏の納涼パーティ」開催

平成17年8月27日

 昨年にき続き「夏の納涼ビアパーティ」を今年もアサヒビール園博多店で行いました。
8月27日土曜日11時に「アサヒビール園博多」に、ご夫婦3組を含む総勢16名が集合しました。
 早速、工場見学に出発し、コンパニオンの説明で工場の歴史やビールの出来るまでのパネル説明を聞きながら、全自動工場を興味深く見学しました。特に100%のリサイクル工場(ゼロエミッション)ということで、様々な工夫がされていました。
 工場見学の後は試飲会場でフレッシュなビールの味に感激、試飲時間の30分は瞬く間で、パーティ前にほろ酔い気分となりました。
 ビアパーティ会場へ移動すると、すでに会食をするグループや家族連れが数組ありました。我々のメニューは今はやりのジンギスカンと牛肉の焼肉コースです。テーブルには焼肉の鉄板が配置され、それぞれ好きな場所に着席し会食を始めました。飲物はもちろんビールです。
 岡野幹事の乾杯の挨拶をかわきりに、ビールと焼肉に舌づつみをうち、いつしか、席替えが始まり、ビールから冷酒、焼酎に移行し、話しをおかずに懇親を深めることができました。
 参加者のみなさん大変満足をされて、来年もぜひ実施してほしいという一致したご意見でした。


販売士試験制度の変更について(平成18年度から)


販売士検定試験は、科目体系の見直しにより、平成18年度から平成20年度にかけて、新しい科目体系に基づく検定試験制度に改定されます。
 これに伴い、平成18年度の販売士検定試験は次の2点が変更になります。
(1)3級試験の受験料の改定
新しい科目体系に基づいて実施する第58回3級試験(平成18年7月8日(土)施行)より、受験料を、現行の3,570円(税込)から4,000円(税込)に改定。
(2)2級試験における面接試験の廃止
平成19年度からの新科目体系による試験移行への経過措置として、平成18年度に実施される第34回2級販売士試験(平成18年10月4日(水)施行)における面接試験が廃止。

販売士検定試験の新科目体系
(1)1級〜3級のレベル
1級:経営管理能力がある者
2級:販売管理能力がある者
3級:販売技術能力がある者

(2)試験科目
1級〜3級ともに5科目に統一
@小売業の類型 Aマーチャンダイジング Bストアオペレーション Cマーケティング D販売・経営管理
2級販売士検定試験合格率

第33回(H17.10.5)全国55.5% 福岡54.0%
第32回(H16.10.6)全国71.5%

※日本商工会議所、福岡商工会議所のHPより