もくじ
会長 栗川 久明
本年度最初の全体行事として「春季流通施設見学会」を6月3日(土)に開催いたしました。 企画委員会の岡野副委員長のアレンジで4月28日にグランドオープンしたばかりの「イオン福岡伊都ショッピングセンター」を見学いたしました。引き続き石原顧問の提案もあり、福岡市西区元岡の「浜地酒造の酒蔵見学」を行い、その後併設のレストランで会食をおこないました。
企画副委員長 岡野 卓也
“セールスマネージャーのあり方への提言” 〜その役割と使命〜
副会長 石原義曠
* こんにちは。今回、私がお話をさせて貰いました概要を以下の通り要約してみましたので寄稿させていただきます。 ただし、当日の講演のなかでご紹介した内容のうち逸話や補足的にお話した実例などは誌面の都合上、いくつかを割愛させていただきました。また、「事例研究」と「自己確認チェックシート」の内容についても記述を省略しました。
* しかし、そんな時代環境の中でも企業というのは、理由の如何を問わず“利益”という成果を挙げなければ存在価値がないと言われます。言うまでもなく、企業の存在は日々の社員やその家族の生活を支え、また出資者である株主への配当、あるいは国や自治体への納税といったような社会への還元と貢献という責務を担っていますが、利益が挙らないことには不可能でありますし、また、当然そのためには、お客様に喜ばれるような価値ある財とかサービスを継続的に提供できない限り、その存在も発展も期待し得ないからだと思います。 2、 企業活動における販売部門の役割 * そんな企業の中にあって、それでは販売部門の存在はどうかと言いますと、日常的にお客様と一番近いところで活動し接触している訳ですから、あらゆる企業活動のなかでも最も先駆的な役割と言いますか、会社の中のどの部門よりも市場に対しての開拓者的な役割を担っている部門であると言えるのではないでしょうか。 日々の活動を通して、しっかりとお客様を引き付け、ファンづくりをしながら拡販と言う成果を挙げることこそが販売部門の役割であり責務であると思います。 3、 販売部門の優劣はリーダー層の資質如何 * 販売士でも学んだマーケティングとかCSとかいう考え方を駆使するのも全て、このための手段であると思いますが、いずれにしても、こうした販売部門の優劣を決定付ける大きな要因のひとつにリーダーであるマネージャー層の資質があると言われています。 そして、このことは何も企業社会に限らず、スポーツや芸術の世界をはじめ、あらゆる分野の指導者の存在がそうであると思います。 * “お釈迦様のことば”に人の存在価値について「居なければ困る人」「居た方が良い人」「居ても居なくても良い人」「居ない方が良い人」というのがありますが、さて自分は今、この集団のリーダーとして、又この部門のマネージャーとして、どうなのだろうと振り返ってみるのも意義あることではないでしょうか。 そんな意味で、今日は、この時代のリーダー層の中でも、特に販売部門の管理者であるセールスマネージャーに望まれている「役割と使命」に焦点を当てたお話をさせて頂きたいと思います。 T.リーダーシップ 1、 リーダーの条件と強制力
<指揮に従わせる> * 現役時代にある代理店の社長がよく言われていたことなのですが、「この厳しい時代にライバルに打ち勝って生き残っていくためには、部下が嫌がることをどれだけキチッとやらせるかが上司の手腕だ」ということを盛んに口にしていました。 その訳について「今の若い者は、みんな頭デッカチになっていて、一人前に講釈はいうがやるべき事をやっていない」というんですね。例えば、「自分の販売実績が挙らなかったりすると言い訳ばかり考えていて、すぐに景気や環境のせいにしたり、商品のせいにしたりするし、上司は上司でそんな部下に対してキチッと指導もできず、へっぴり腰になっているから頭が痛い」と漏らしていました。 確かに会社は組織という集団で仕事をする訳ですから、その会社の(理念に基づいた)事業目的のためには社員達に好き勝手なことをやらせていたのではいけませんし、嫌な規律や面倒な手続きなども守らせないことには成り立っていかないと思います。 <不可能を可能にする> * そして、無理と思われるような目標も不可能を可能にする精神でやって貰わなければならないことも当然にある訳ですから、 管理者であるセールスマネジャーは、例え部下が嫌がっても、うるさがっても必要なことは強制してでもやらせ、従うような職場風土にしなければならないと思います。 * このことは、部下自身の自己規制力を育て、組織を結集していくためにも絶対に必要な基本的なことであり、またマネジャー自身にとってみても強制力を発揮することはリーダーシップには欠かせない重要な要素でもあるからなんですね。 <自発性につなげる> * ただ強制力というと、変に誤解があるといけませんので、皆さんもよくご存知のダグラス・マグレガーの「企業の人間的側面」に登場する“XY理論”のY理論を思い出していただければ納得がいくのではないかと思います。 つまり、Y理論では、「人間は進んで働きたがり責任を与えれば進んで問題解決にあたる」ものであるということから、「自己管理を中心に自発性を促す中で、ある時には強制的に、又ある時にはカウンセラーというようにすべきだ」としていますように、リーダーシップを有効に発揮していくには、必要に応じての“強制力は欠かせないものである”ことがよくわかると思います。 * 更に、このことについては、かって経営の神様といわれた松下幸之助さんも、「人は概して易きにつきやすいものだ。厳しく注意されたり叱られたりして、はじめて気づき自らを引き締めて事に当たる面もあるので、リーダー足る者は強制力が必要なんだ」ということを“人事万華鏡”のなかで言われています。これは、正にY理論の精神そのものだと思います。 2、 リーダーの意識構造上の問題
◎ ひとつは、「間違った思い込み意識」 ◎ もうひとつは、「使命感の不足」 ということなのですがまずは、こういった意識面の問題を払拭してから事に当たる必要があるように思います。 <間違った思い込み意識> * まず、「間違った思い込み意識」についてなんですが、ひとつの誤解は“強制力を行使すると部下は離れていく”と思い込んでいる管理者が実に多いということです。しかし、実際には部下は強制力そのものを否定しているのではなく配慮に欠けた無神経な指揮を嫌がっているのであって、「命令すべき時に命令し、しかるべき時に叱ってくれ、守ってくれるべき時に守ってくれる」ような逞しく頼りがいのある上司を待ち望んでいるといいます。 いずれにしても、マネージャーというのは部下が納得しないからと言って、やらせるべきことをさせずに済ませる訳にはいけませんので、正しい統率行動こそが業績を挙げ部下をも育て支持されるということを肝に銘じなければならないと思います。 * もうひとつ、誤解していることは“強制力を発揮するにはその前提として、部下との間に人間関係が出来ていないと無理だ”と思い込んでしまっていることがあります。これもよく聞く話ですが、「人間関係が出来ないうちに、いきなり強制的に指示したり注意したり叱ったりすると、部下は反抗しやる気をなくす」と思っている管理者が意外に多いようですが、指示や叱り方に筋が通っていて心がこもっていれば、例え人間関係が浅くても部下は納得してついて来てくれるものだと言います。事実、このことは私自身も転勤の度に何度も身をもって体験させて貰いました。ただ、人は感情の動物ですので“怒る”のではなく“叱る”ことだと思います。 ◎ 「怒る」ことは、自分本位の感情的なものなので反感を買いますが、 ◎ 「叱る」のは、相手本位の理性的なもので、正しく導こうとする行為なので感謝こそされ反感を買うことはない筈です。 よくテレビドラマなどで、若い女子社員が「今日、課長に叱られちゃった」なんて嬉しそうに友達に話している場面を見かけたりしますが、正にこれなどは自分のことをよく見ていてくれるという上司への信頼の現われだと思います。 <使命感の不足> * 次に、もうひとつの側面の「使命感の不足」についてですが、そのひとつに“管理者自身がリーダーとして、会社や自部門のために何をすべきかを良く考えていない”ということがあるように思います。何でも上に迎合したり、部下に調子を合わせたりして振り回されるようでは強制力の発揮などとても無理だと思います。 先日、ラジオを聴いていましたら、少年院に送られた少年がそこで出会った院長から自分でも気づかなかった音楽の才能を見出されて更正し、プロになっていくまでの紆余曲折の経緯や院長への敬慕と感謝の思いを語っていましたが、正にこの院長は自分は何をすべきかをしっかりと考えて仕事をされていたのだと思います。 * そして、もうひとつ使命感に欠けていると思われることは“自分の指揮に従わせようと言う覚悟に欠ける”ということがあるのではないでしょうか。管理者(マネージャー)たる者は、自分はどうあって欲しいかをキチッと部下に明示して、それに従わせようと言う覚悟がないと務まらないと思います。部下それぞれに対して、何を期待しどんな行為を否定するかを日々の自分の言動・行動の中で繰り返し伝え、判らせていかないとなかなか思い通りには動かないものです。 このことは立場を変えて、自分自身と上司との関係を思えばよく分かると思います。 先日、機会あって櫛田神社の宮司さんから750余年の歴史を持つ博多祇園山笠の話を聞かせて頂いたのですが、その際に山笠当日の現場の一切を責任もって取り仕切る“取締り”という役の方が、如何にリーダーとして大変な務めであり、同時に高い能力を兼ね備えておられるのかを知って驚きました。
3、 職場の環境・条件の整備 * そこで、以上のような新たな意識のもとに強制力を身につけ、部下に対してやる気を起こさせるリーダーシップを発揮していくには、同時に「職場の環境・条件がキチッと整備できている」ということも大変に重要になってきます。 このことを、いい加減にしていると折角の指揮も空回りすることにもなりますので、しっかりと整備するようにしておきたいと思います。 順を追ってお話しさせて頂きますと、ここですることは二つあると思います。 <部門目標と個人目標の統合> * まず、やらなければならないことのひとつは、“自部門、つまりマネージャー自身の目標と部下個々人の目標を統合して、役割分担を明確にしておくこと”ということが必要になります。 ◎ 形にこだわりませんが、皆さんもご存知の「目標管理」の思想に基づいて必ず部下も参画させて、これらを決めて徹底しておくことが大事だと思います。そして、日々キチッとフォローすることを怠らないようにすれば、自ずと活気もチームワークも生まれてくる筈です。 [参考] 目標管理=良い目標×正しい動機付け (ア) PDS(目標設定、遂行、評価) ・トップダウンとボトムアップの統合 (イ) リーダーシップとメンバーシップによりチームワークを生み出す <信頼し合える雰囲気づくり> * そして更には、お互いの目標と役割が明確になったら、“信頼し合える雰囲気をつくり上げていくこと”だと思います。 ◎ それには、まずマネージャー自身が人間味あるリーダーとして日頃から「部下一人一人の行動を良く見ていて必要な時にタイミングよく指導したり、黙って根回しをしてやったりバックアップしてやる」ように心がけていけばいいのではないかと思います。 マネージャーの仕事と言うのは、部下という人間のことをよく知っていないと務まりませんし、また“部下と共に”との思いを持って行動する上司の姿勢こそが「最大の雰囲気づくり」ではないかと思います。 ◎ そして、「正直者が馬鹿を見ないようにしてやること」も大切だと思います。もし、規律や約束事を守らない者とか陰日なたのある行動をしている者がいたとすれば、放置せずその時々に注意し従わせるようにしないといけないと思います。 こう言うことをしっかりやっていると、後から入社してきたり、転勤してきた者達も先輩や同僚を見習って動くので、自然と良い風土になっていくと思います。 とにかく、みんながお互いに、上司や部下、先輩、同僚、後輩達のことを“よく分かっていてくれる仲間だという雰囲気“の働き甲斐があり、信頼し合える職場だ”と感じるようにすることが大切だと思います。 U.リーダーのあるべき基本姿勢 以上お話してきたようなことを踏まえて、それでは管理者としてセールスマネージャーとして、どんな「心の姿勢」をもって日々の仕事に臨んでいけばいいかということを考えてみたいと思います。私見ではありますが、一応3点に集約できるのではないかと思います。
<付加価値を高める> * 三つ目には、すべて“利益(現在・将来とも)が判断の基準”であることを忘れてはいけないと思います。冒頭に申し上げたとおり、企業にあっては利益に繋がらない判断は絶対にあり得ないからです。今、仮に一人10万円の月給をとる部下を10人抱えていたとすれば、普通「販売費とか一般管理費」を含めると月給の約3倍、つまり月々3百万円の経費の活用を会社から任されていることになります。従って、この3百万円の付加価値を如何に高めるかがマネージャーの務めであり、このことを自覚しているといないでは大きな差が出てしまうことになると思います。 Vセールスマネージャーの役割と使命 1、 期待されるマネージャー像 そんな訳で、一体販売部門のリーダーであるセールスマネージャーとはどんな役割と使命を担っているのかと言うことを、「まとめ」として確認しておきたいと思います。 <業績を挙げることと組織力を高めること> * まず、販売部門の日常活動からして言えることは、決してマネージャーといえども自分勝手な思いで動き回っているのではなく、そこには必ず「会社の方針と目標のもとに、自部門に与えられた人・物・金などを通して販売予算と言う売上と利益を実現すること」に念頭を置きやっている筈ですから、“その役割と使命”というのは、お客に喜ばれる活動を展開するなかで、 ◎ ひとつに、自部門の「業績を挙げること」であり、 ◎ あとひとつは、部下の育成・活用により「組織力を高めること」 の2点にあると言えると思います。 2、指揮力 そこで、この役割と使命を果たすためには「業績に結びつけるための采配」と「組織を結集し部下達のやる気を引き出す働きかけ」という“指揮力”というものが必要になってきますので、そのあたりのことについて触れておきますと、 <業績に結びつける采配> * まず、そのひとつの“業績に結びつける采配”というのは部下達にめざす方向、つまり「何を目標に、それをどのように実現して行くのかと言う考え方」をきちっと分かり易く示して、具体的には「どう手を打つかというやるべきこと」を指示し、部下達が業績に結びつく行動がとり易いようにすることなんですが、ある意味では最もマネージャーらしい仕事と言えるかも知れません。 ◎ 通常、部下と言うのは仕事がうまく行っている時には、特別リーダーの存在を気にしていないものですが、困難な局面にぶち当たったりするとリーダーを頼りにしてくるようです。 ですから、その時に的確な指示なり指導をしてやれば信頼を寄せ、素直に采配に従うようになるもので、このことは皆さんも体験がおありだと思います。 ◎ 例えば、ファミリーレストランの店員が、どこもマニュアルどおりに同じような客対応をしているのが気になりますが、一般に販売部門であのようなマニュアル化が可能な部分というのは、全体のわずか15%程度だと言われており、あとは全てケース・バイ・ケースの応用動作が必要になるわけですから、セールスマネージャーの役割と采配というものは大きいと思います。 <やる気を引き出す働きかけ> * もう一方の“組織を結集し、部下達のやる気を引き出す働きかけ”というのは逆に言えば、下から盛り上がって部下達が進んでリーダーの指揮に従おうという姿勢であるとか、「自主性を育て上げること」だともいえます。 ◎ 誰でも、自分がどうあったらいいのかが分かり、頼りにされたりすれば仕事も楽しくなり、夢中になって働こうとするのではないでしょうか。そんな意味でも、先に例を挙げた「少年院の院長さん」とか「スポーツ界の亀田や宮里、横峯の父親」などのように、リーダーには部下という人間の中にある輝くものを発見し育ててやる目とか心が大事だと思います。 ◎ 変な話ですが、やる気にさせることの出来る動物はこの地球上で人間だけだそうです。でも、この意欲付けには昔から武将も教育者も、また会社の上司も、家庭の親達もみんな苦労をしてきた現実があります。 しかし、ものは考えようでマネージャーになれたお蔭で、このようなやり甲斐のあることを仕事としてやらせて貰えることに感謝したらどうでしょうか。 いずれにしても、ここで取り上げた“指揮力”というのは、今、お話したふたつの側面が表裏一体の関係にありますので、片方がうまくいかないともう一方もダメになってしまう訳ですから、常に両方への関心を怠らないようにすることが肝心だと思います。 3、指揮力を発揮する「4つの顔」 それでは、最後にマネージャーというのは「人を通して仕事をする職業」ということでもありますので、部下対応ではいろいろな場面に遭遇すると思いますから、参考までにその場合に必要となる対応姿勢のあり方を“4つの顔”ということで要点だけご紹介しておきたいと思います。 <4つの顔別の役割> @ まず、ひとつは“強制者として指示に従わせるという顔を持つこと”が必要になるということなんですが、このことは、例えば秩序とか決定事項を守らせたり、緊急事態への対応や躾などをする時に、部下の納得というよりも服従に重点を置いて指導する際に必要になってくる対応姿勢(顔)のことを言っています。 A 二つ目に必要な顔というのは“先導者として行動すべき時のこと”で、マナーや秩序維持などの手本を示したり、部下がためらっていたり、出来ずにいる時に可能性を信じさせヤル気にさせるために、自ら「やって見せ納得させること」で、率先垂範型の対応姿勢のことをいっています。 B 三つ目には“指導援助者の顔を持つこと”も必要になるということなんですが、この場面というのは、部下が困っていたり目標達成に四苦八苦している時に手助けしたり、部門内の問題解決などを一緒になって「相談調」で対応する時などの、上下の関係での納得と統合に重点を置いてすすめる場合のことをいっています。 C あとひとつは、“応援者としての顔を持つこと”も必要になると思うんですが、部下の専門能力や長所を伸ばしてやりたい時とか、結果に対する責任感を強めたい時、あるいは時として、心の治療が必要と思われる時などに部下の主体性に重点を置いて対応する場合のことでありますが、これらは、いずれも単にテクニックとして、それぞれの顔を演じ切れば良いというものではなく当然のことながら、そこには「部下と共にという心」が伴っていることが大切であるということは申し上げるまでもないと思います。 以上が今日の私からの提言でありますが、最後に総括として、これからお配りする「事例研究」をご一緒に考えてみることと、もうひとつチェックシートによる「自己確認」ということを皆さん自身でやっていただいて、終わりにさせて頂きたいと思います。 * 事例研究シート配布: みんなで一緒に考え、やりとりしてからコメントして終了。 * 自己確認シート配布: チェック要領を説明し、各自でやって貰うようにして終了。 以上
第3回「夏の納涼ビアパーティ」を終えて
企画副委員長 岡野 卓也
最後にいつも同じ締めの言葉となりますが、福岡販売士協会を盛り立てるのは会員の皆様方です。参加する事で、何かを得るものが必ずあると思います。会員の皆様方の参加をお待ちしております。積極的に催し物に参加しましょう。
食生活アドバイザー 泉 亨
飽食の時代とも云われている現代はまた、肥満の時代とも云えます。2005年9月に、WHOが世界的な肥満傾向に対して、警鐘を鳴らしたことは皆さんご存知ですか?さらにWHO(世界保健機構)は2015年には、約15億人が肥満体となると予測しています。赤信号皆で渡れば怖くない ! なんて駄洒落みたいな川柳がありますが、15億人の仲間がいるから怖くないなんて呑気なことを考えていると、その内大変なことになりますよ ! それでなくても日本人は、少量の食物から効率良くエネルギーを摂取し、蓄えることが出来る倹約遺伝子を持っている人が、欧米人と比較して多いと云われていますから、そういった省エネタイプ(貧乏症?)の人達は、食生活に充分な用心をしないと肥満になる可能性が高いと云うことになります。特に、ストレス解消法として多食気味の人は要注意 ! また、夜の10時から深夜の2時位に掛けて、体内に脂肪を溜め込む性質を持ったタンパク質(BMAR1)が最も増えることが分かってきました。従って、夜食は肥満体製造の重要要因として考え、控えることをお勧めします。ところで肥満体は何故問題になるのでしょう? 新聞やテレビ等でも報道されているように、肥満は国の医療財政を圧迫しかねない大変な問題なのです。
この数字から見ても医療費の膨大さが想像出来ると思いますが、肥満の最大要因は栄養素過多と運動不足です。運動量に見合った腹八分目の食事量を心掛けましょう。さらに、均衡のとれた食事が生活習慣病予防に最も大切なことだと云うことを理解して下さい。ところで最近、若い女性の場合、痩せと肥満の両極端の割合が増加していると云われています。女性は結婚すると妊娠し出産します。結婚していなくてもそうなることがありますけど。痩せていて妊娠中にも体重増加がないと低出生体重児(2500g以下)が生まれる可能性が高くなり、肥満体で妊娠中に体重増加があれば、糖尿病や妊娠中毒症の心配が考えられます。いずれにしても、痩せ願望はほどほどに、太りすぎもほどほどに。女性らしいふくよかな健康体が一番望ましいと、私見ですがそう思います。最近気になるのはデブを売り物にした芸能人のこと。テレビ等で活躍しているようですが、他人事ながら彼らの、彼女たちの5年後、10年後を考えると思わず合掌 ! 話は変わりますけど、アメリカのビジネス社会では、肥満は自己管理能力が無いと云う事で、評価が低くなるそうです。好きで太ったのか、知らず知らずのうちに太ってしまったのか、いずれにしろ悔いが残る話ですよね。食生活を見直そう! 生活習慣を改善しょう! 怖さ知って生活改善、目指せ健康体! いろいろなキャッチ・フレーズが思い浮かびますが、単なる長寿国ではなく、健康で活き活きとした長寿の国日本であることを私は、私だけでなく皆さんもそう願っていますよね ! つい、最近の新聞には、淡路島では肥満児の増加率が、全国的に見ても高くなったと云った記事が掲載されていました。何故でしょう?”風が吹けば桶屋が儲かる”式の話ではありませんが、淡路島と本州が橋で結ばれました。橋が出来れば交流人口(観光客)が増加します。人口が増加すればコンビニエンス・ストアが増えます。コンビニエンス・ストアが増えれば便利になります。そこで地元の児童たちがおやつにスナック菓子やジュースを買います。カロリーが高いスナック菓子やジュース類を飲食すれば肥満体になる。と云う図式が出来上がると云うことなのですね。便利になったが故の肥満体増加、考えさせられる問題ですね。2004年から、イギリスでは学校の売店からジャンク・フードが一斉に姿を消したそうです。それまで野放し状態に近かった、子供の健康に良くないスナック菓子や清涼飲料水等が販売出来なくなったと云うことです。しかし日本の現状は、どうなのでしょう。売れる物は売る ! 売上げ予算が ! 粗利予算が ! と、なり振り構わぬ販売の現場。一級販売士のテキストには小売業の社会的責任として、売るべき商品、そうでない商品の区別をする役割があると云った文言がありますが、現状をよくよく認識した上でテキストを読むと、まるでそれは浮世離れした世界と云った感じを受けるのは私だけでしょうか?世迷いごとのようなお話で終わりますけど、次の機会には、”ちょっと怖い添加物”と云ったテーマで皆さんに問題提起をしてみたいと思っています。 |